1993年にアメリカの議会と保健省に提出された「Wake up America」という報告書があります。
スリーマイル島の原発事故や、アラスカ沖のタンカー座礁事故、スペースシャトル・チャレンジャーの事故も、背景に睡眠時無呼吸症候群が関連しているとする内容です。
重要なのは、睡眠時無呼吸症候群が本人の健康に有害であるばかりでなく、社会的な問題をはらんでいることにあります。
睡眠時無呼吸症候群は、昼間に極度の眠気をもたらし、日常の知的活動に重大な悪影響を及ぼします。
睡眠時無呼吸症候群により睡眠中に十分な酸素が脳へ行きわたっていないので、日中において、集中力や判断力、注意力が極度に低下し、また、行動力や作業能力も極度に鈍くなります。
したがって、航空機、鉄道、バスの運転など、多数の人の命に関わる職業についている人に対して、睡眠時無呼吸症候群の検査を義務付けるべきだという意見も出されているほどなのです。